みなさん、こんにちわ。
インセプションという映画を見たことがある人には、わかりやすい話だと思うのだが、カレーという食べ物の引力は、人の食欲に根を張る。
いや、根は既に張ってあって、花が咲くというほうが正確かもしれない。
今回は、そんなカレーへの食欲に釣られたお話。
迷いの表参道とカレー屋さん
この日は、とある用事で表参道に来ていた。
午後も引続き表参道で予定があるので、この辺りでご飯を食べておきたい。
しかしながら、土地勘もほとんどなく、とりあえず食事がとれそうなお店はないかと、500mくらいを歩いて気が付いた「表参道にはカレー屋さんが多そうだ」
まぁ何となく予想はついていたが、土地柄「ファーストフード店やラーメン屋さん」は見当たらない。
コンビニも見当たらない、公園もないので、テイクアウトでの食事も厳しい。
そんな中、カレー屋さんは4店舗ほど見つけた。
これは、カラーバス効果(気になったものが目に入りやすい現象)ではなく、激戦区説がある。
こういった激戦区には、古くからあるクラシックなお店、新規性を謳った飛び込みの出店、のれん分け展開というパターンがあるので、注意が必要だ。
だいたいの場合、古くからあるクラシックなお店が安全な選択だと思っており、その見極めには目で見るのが一番だ。
Googleマップで「カレー」と検索をすると、やはりお店は多い。
今回は3店舗ほどが近くにあるブロックに絞り、周ってみた。
その中でも、一本裏路地に入った、店の前まで良い匂いが香ってくるお店を選んだ。
薄暗いJazzの流れる店内
店外にまで香る強いカレーの匂い、これは期待できる。
ここまで来る間にもカレー屋さんを素通りしたが、ここまで食欲をそそる匂いはなかった。
階段を下りて店内に入ると、大きなソファーとバーカウンターが目に入る。
どこに座ったらよいものか悩んでいると、白髪の男性がソファー席へ案内してくれた。
ソファーは思わず後ろに倒れそうになるくらい、柔らかいタイプのもので、気に入った。
この案内してくれた男性は、このお店のマスターだろうか。
マスター(仮)がメニューとお水を持ってきてくれた。
周りのお客さんが食べているのは、スパイシーチキンカレーというもののようだが、今日は店の看板に出ていた、ガーリックシュリンプとトマトのバターチキンカレーが気になっていた。
店内にはかなりアレンジが聞いたブルーノートが流れている。
アレンジが効いているものの、もとは有名な曲が多く、リラックスして聞いていられる。
店の内装は、趣味を体現しているかのような、本と写真、アルバムの数々。
また、そのバランスがとても良く、必要なものを選んだことが感じられる。
食事を待っている時間がとても楽しかった。
香辛料の風味と飽きの来ないバランス
料理はまずサラダから始まる。
玉ねぎのドレッシングがかかった千切りキャベツとコーンのサラダ。
体にいい味がした。
カレーは女性が運んできてくれた。後々わかるのだが、この人がどうやらマスターのようだ(正確にはミストレスだが…)。
まずは、カレーの良い匂いが、続いてて揚げたガーリックの匂いが漂ってくる。
カレーに野菜は見えないが、野菜の出汁がよく効いているような、とても奥が深い味がする。 スパイスも一つ一つが主張をせずに、ハーモニー状態になっている。
少し硬めのごはんも、とてもカレーに合うのだが、これは洋風料理に感じ、バケットが欲しくなる味だ。
エビはプリプリで素材の味が生きている。
カレーと一緒に食べても生きているので、なるほどカレーにはとても良く合う。
一息おかずに一気に全てを食べてしまった。 美味しかった。
食後にはドリンクを出してくれる。いくつか選択肢がある中で、この日は少し肌寒い日だったので暖かいコーヒーを頼んだ。
コーヒーは、ブラックだがすっきりとした味で、カレーの後に飲むのにとても心地よい。 香りもよく、よくある作り置きではなく、一杯入れてくれたのを感じる。
デミコップに入れて出てくる量も、ちょっと足りないと感じるくらいの量で申し分ない。
茶菓子としてチョコレートもついてきた。
カレーの後で少し痺れている口にはちょうどいい。
あまり悠長に過ごしているわけにもいかなかったので、座り心地の良いソファーに名残惜しさを感じながら、お店を後にした。
場所は外苑前駅より南側、外苑西通りの西側の1本裏通りにある。
Sany.